ユーロ2000 ベルギー/オランダ
クレメンテの長期政権が終わりカマーチョを監督として迎えての挑戦となったこの大会でもスペインは優勝候補とされていました。オーストラリアに９−０、サンマリノに９−０と６−０、そしてキプロスに８−０とヨーロッパ予選ですさまじいゴールラッシュを見せてくれたからです。そしてレアルマドリッドで大活躍し若くして数多くの経験を積んだラウールはもはやルーキーではなくチームのエースとなっていました。
しかし本体大会では予選リーグから大苦戦。初戦のノルウェー戦をＧＫモリーナのとんでもないミスで落としてしまいます。かわいそうなことにこれ以来モリーナは代表から縁がなくなってしまうのですが、ＧＫを替えて臨んだ次のスロベニア戦はヒヤヒヤの展開ながらラウールとエチェベリアのゴールでなんとか勝利を収めます。しかし決勝トーナメントに進むには強豪ユーゴスラビアに勝たなければならない状態に追い込まれるスペイン。９８年ワールドカップの二の舞かと思われましたがこの最終戦で奇跡が起こります。
決勝トーナメント進出をかけたスペイン対ユーゴスラビアの試合は激しい打ち合いでした。序盤スペインが攻勢に出るも前半３０分苦手のカウンターで先制を許してしまいます。しかし、前半終わり際にラウールのドリブルからアルフォンソがゴールを決めてすぐさま同点に追いつきます。後半５０分にはユーゴのコバセビッチに再び勝ち越されますが、しかしそのすぐ１分後ムニティスが同点ゴールを決めて２−２。そして後半７２分、ユーゴに３度目の勝ち越しゴールを決められてしまいます。カマーチョはＦＷを４人にする捨て身の戦法に出ますがとうとう２−３のままロスタイムに。さすがにもうダメだと思われましたがこの日のスペインは勝負強い。まずはディフェンダーながら必死で攻めていたアベラルドが倒されてＰＫを獲得します。これで同点。あと１点・・・。もうロスタイムも２，３分が過ぎ、祈るような気持ちで応援していると、ゴール前で混戦となったボールをアルフォンソが体を反転させながら執念で押し込んでゴール！サッカーの歴史に残る大逆転を果たしたスペインは無事決勝トーナメントへと進出したのです。
トーナメント初戦の相手は好調ジダンがいるフランス。予選リーグの勢いで優勝までたどり着くはずでしたが結局スペインは善戦しながらも１−２で敗れてしまいます・・・。写真はこの試合のハイライト。後半終わり際１点を追うスペインに待望のチャンスがきます。ＰＫを獲得したです。しかし大物は良いところでＰＫを外すのが決まりなのでしょうか。エースラウールが蹴ったボールはバーを越えてしまいます。それからラウールはＰＫを蹴らなくなってしまうという後遺症を残した後味の悪い大会となってしまいました。
メンバー
1 カニサレス
2 サルガド
3 アランサバル
4 グアルディオラ
5 アベラルド
6 イエロ
7 エルゲラ
8 フラン
9 ムニティス
10 ラウール
11 アルフォンソ
12 セルジ
13 カシージャス
14 ジェラール
15 エンゴンガ
16 メンディエタ
17 エチェベリア
18 パコ
19 ベラスコ
20 ウルサイス
21 バレロン
22 モリーナ
監督 カマーチョ
試合結果
予選
スペイン ０−１ ノルウェー
スペイン ２−１ スロベニア
スペイン ４−３ ユーゴスラビア
トーナメント
スペイン １−２ フランス
