キンタ・デル・ブイトレ
バルセロナの次はレアルマドリッドの黄金時代も紹介したいと思います。レアルマドリッドの栄光の歴史の中で今回ピックアップするのはスペイン人選手が中心だったという意味で非常に人気の高いキンタ・デル・ブイトレ時代です。
メキシコの英雄と下部組織の選手達
「キンタ・デル・ブイトレ」とは「禿鷲部隊」という意味で、当時スペイン人ナンバー1ストライカーだったブトラゲーニョ(通称:禿鷲)を始め1980年代後半に黄金時代を築いたカンテラ(下部組織、ユースチーム)出身の選手達のことを指します。1980年代前半、リーガの覇権はビルバオ、Rソシエダのバスクの両雄が支配していましたが、レアルマドリッドでは優秀な下部組織の選手達が次々に台頭していました。そしてメキシコ人FWのウーゴ・サンチェスが加入した1985-1986年シーズンついに6年ぶりのリーガ優勝を果たします。禿鷲部隊レアルマドリッドは以降圧倒的な強さでなんとリーガ5連覇を達成。中でも1989-1990年シーズンが全盛期で、このシーズン2敗しかしなかった上、それまでどんなチームも成し遂げたことがない年間107得点というリーガ年間最多ゴールを記録しました。またホーム「サンティアゴ・ベルナベウ」での強さは圧倒的で1試合平均なんと4.1ゴールという数字を残しています。
フォーメーションとメンバー
レアルマドリッド(1989-1990)
監督:トシャック
主な採用システム:4-4-2
年間107ゴールという記録が物語っているようにトシャック率いる当時のレアルマドリッドは非常に攻撃的なチームでした。その圧倒的なゴールラッシュの中心が抜群の得点感覚を持った禿鷲ブトラゲーニョと36試合38ゴールという驚異的な記録を残したウーゴ・サンチェスのツートップです。ウーゴはバイシクルシュートやボレーシュートなどアクロバティックなプレーも見せ、チームをより一層華やかにしました。サイド攻撃も強力で左には必殺のスルーパスで敵陣を切り抜いたマルティン・バスケスが、右には正確なキックでセンタリングにシュートに活躍したミッチェルが君臨。俊足の両サイドバックのゴルデイージョ、チェンドも果敢にオーバーラップしました。彼らをコントロールするのがドイツ人ゲームメーカー シュスターで、その隣ではあのフェルナンド・イエロが当時ルーキーとして活躍していました。ディフェンスの中心はレアルマドリッド最多出場記録を持つサンチスで、冷静なスペイン代表GKブジョらと共にゴールを守りました。創造性と安定感を兼ね備えたこのチームをリーガ史上最高チームに推す者も少なくありません。
(各選手の詳しい情報は選手名鑑で!)